紹介される求人が、毎回ずれている。

心当たり、ありますか。

面談で1時間かけて話したはずの希望とはまるで方向の違う求人が5件まとめて届いて、丁寧に理由を書いて返信すると、次の日にはまた同じような求人が5件並んで届く。そのうち、通知を開くのがしんどくなってくる。

こういうとき、担当者は変えてもらえます。しかも、思っているより普通のことです。 私はエージェント側に5年いて、担当変更の依頼を受ける側にも、引き継ぐ側にもいました。角が立つ言い方と、立たない言い方の差もだいたい分かります。ここは実務として書きます。

その前に。ずれの原因は担当者じゃないこともある

いきなり手順に行く前に、切り分けを。

原因は3つに分かれます。

紹介がずれる原因の切り分け

1 ①希望の伝わり方 面談で伝えた条件が、社内の検索条件に落ちていない 2 ②会社の在庫 そのエージェントが持っている求人の中に、合うものが少ない 3 ③担当者との相性 提案の温度、連絡の頻度、話の聞き方が合わない

③だと思って変えたのに、実は②だった。

これが一番もったいない。担当者を変えても、その会社が抱えている求人そのものは変わりません。

在庫の話はエージェントに断られたときにも書きました。会社ごとに得意な業界も職種もぜんぜん違うので。

先にやることは2つ。

  • 希望条件を文章で送り直す(優先順位を2つに絞って、譲れない順に)
  • 「この求人のここが合わない」を1件ずつ返す

2つ目が効きます。

ずれた求人にフィードバックを返すと、次の紹介が変わることが多いです。返信せずに放置していると、担当者の画面の上ではあなたの検索条件は正しいままなので、何がずれているのか分からないまま同じ条件を毎週回し続けることになります。

それでも合わないなら、変更を頼んでいい

やってみて変わらないなら、担当変更でいい。

遠慮はいりません。

言いにくいのはよく分かります。

断りづらい。悪い気がする。変えたら不利になるんじゃないか。全部、私も候補者から聞かれました。

答えを書きます。

不利になりません。 エージェント側から見ると、担当変更は日常的な業務です。むしろ、合わない担当者のまま音信不通になられるほうが会社にとっては損なので、変更で活動が続くならそちらのほうがいい。

理由は仕組みを見ると分かります。エージェントのKGIは決定人数と売上金額で、KPIは面談数などの中間指標。担当者が変わっても、会社としての売上は変わりません。だから会社側に変更を断る動機がほぼないんです。

理由は在庫と数字。

このあたりの構造はエージェントの仕組みに詳しく書きました。

頼み方。宛先は担当者じゃないほうが早い

具体的な手順です。

3つ。

1. 宛先は、問い合わせ窓口かカスタマーサポート。 担当者本人に「あなたを変えてください」と伝えるのは、お互いしんどいです。多くのエージェントには問い合わせフォームや総合窓口があります。そこに送るのがいちばん早い。

2. 理由は、担当者の人格ではなく「ズレ」で書く。 「合わないので」だけだと、社内で引き継ぐときの情報になりません。何がどうズレているかを書くと、次の担当者にちゃんと伝わります。

3. 継続の意思を1行入れる。 「サービスは引き続き利用したいです」。この一行があると、退会の話ではないと即座に伝わるので処理が速いです。

文面はこれくらいで足ります。

短くていい。

お世話になっております。現在◯◯様にご担当いただいておりますが、希望している職種と紹介いただく求人の方向が合わず、選考が進められていない状況です。引き続きサービスは利用したいので、可能であれば担当の変更をご相談させていただけますか。希望条件は下記のとおりです。

冷たく見えるくらいでちょうどいい。

感情を書かないほうが、受け取った側は動きやすいです。

担当変更は、社内では日常の手続き(写真はイメージ)
担当変更は、社内では日常の手続き(写真はイメージ)

連絡が来なくなったときは、別の理由かもしれません

担当変更の相談で一番多いのが「急に連絡が来なくなった」です。

これ、相性の問題じゃないことがあります。

中の事情を書きます。

エージェントの現場では、月末が近づくと担当者の中の優先順位がはっきり動きます。早く決まりそうな人が前に出る。本人の希望に近い求人がすでにあって意思決定が早い人、それから離職済みで転職しないといけない事情がある人が先に並び、逆に転職するかどうかを迷っている人は、月末に劣後しやすいです。私も月末は連絡の順番を組み替えていました。

これは能力の話ではありません。数字を追う必要がある時期の、業務の優先順位の話です。月末以外の時期なら、迷っていること自体は劣後の理由になりません。

ただし1つだけ。「転職しない感じ」を出し続けると、月末に限らず後回しになります。 迷っているのは正直に言っていい。そのうえで「動く前提で情報を集めています」という姿勢は見せておいたほうが得です。

私も担当していた頃、「今期は動けないけれど情報は集めたい」と最初に言ってくれる人のほうが、こちらとしては動きが読めるので優先度を落としませんでした。隠されるほうが困る。

変更のあと。引き継ぎで消えるもの、残るもの

担当が変わると、何が引き継がれるのか。

気になるところだと思います。

登録情報と職務経歴書、応募中の企業と進捗。 この辺は社内システムに残るので引き継がれます。消えやすいのは、面談で口頭で話した細かい事情のほうです。

担当変更で引き継がれるもの/消えやすいもの

残る 登録情報・職務経歴書 応募中の企業と選考の進捗 希望年収・希望勤務地などの条件 面談の記録(要約された形で) 消えやすい 口頭で話した転職理由の背景 「この業界は避けたい」の理由 家庭の事情など、条件の裏にある文脈 前の担当者との温度感・約束

だから変更直後に、右側を自分から1通で送っておくと立ち上がりが速いです。同じ話を最初からもう一度させられるストレスは、これでかなり減らせます。

進行中の選考がある場合は、その企業への連絡窓口が変わるだけなので、選考自体は止まりません。ここは心配しなくて大丈夫です。

変更しても駄目なら、会社ごと変える

2人目でも合わないなら。

そのエージェント自体が自分に合っていない可能性が高いと思います。

他社で断られた人が別のエージェントで決まる、というのは普通に起こります。理由は候補者側ではなく会社側にあって、抱えている求人ラインナップ、得意な業界や職種、担当者の実力と相性、決めにくい求人を決めるナレッジがどこまで溜まっているか。あとは「決まりにくい人も決めたい」という思想を持っている会社かどうか。

会社によってぜんぜん違います。

だから2〜3社を並行して使うのが現実的だと思います。ただ、登録した全社の面談を1時間ずつ受けるのは在職中だとかなりしんどいので、まずは2社。

2社で十分です。

比較の観点はエージェント6社比較にまとめました。

会社ごと変えるときは、いま登録している先と新しい候補を同じ欄で比べられるようにエージェント比較シートを作ってあります。

最後に、言い出せない人へ

言いにくさの正体は、たぶん「相手に悪い」ではない。

変更を頼んだせいで、紹介の質が下がるのが怖い。 私が候補者から相談されたとき、掘っていくとだいたいここに行き着きました。

その心配は、要りません。

担当変更は社内の手続きであって、あなたへの評価とは繋がっていない。むしろ、合わない担当者のまま黙って半年止まっているほうが、失う求人も時間もずっと大きいです。

転職活動の時間は有限です。

合わないと思ったら、メール1通。それで動きます。

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