先に、この記事の立場を書きます。

**総合1位は作りません。**作れるだけの根拠を持っていないからです。代わりに、国に提出された数字だけで言えることを、言える範囲でだけ断言します。

現時点で、当サイトはどのサービスとも提携していません(アフィリエイトリンクは1本もありません)。それでも先に書いておくと、掲載するかどうか・並べる順番は、提携の有無で変えません。今のうちに書いておかないと、後から足したときに「前は隠していた」に見えるからです。

そして、調べていて出てきた事実が3つあります。これが記事の核です。

  • リクルートエージェントとリクルートダイレクトスカウトは、公的データが完全に同じ数字です(同一法人が運営)。この数字で2社の優劣は語れません。
  • 入社後6ヶ月以内に辞めた人数を出しているのは、6社のうち1グループだけでした。残りは「-」(未提供)です。
  • **ビズリーチは、有料職業紹介事業の許可番号を公式サイトで確認できませんでした。**よって公的データの★を出していません。

どれも他の比較サイトで見た記憶がありません。順に説明します。

30秒で: この記事が出せるもの・出せないもの

出せる 出せない
国に提出された就職者数・正社員比率・早期離職者数(出典と基準日つき) 総合ランキング・総合★
各社の公開求人の件数(4社のみ・参考値) 担当者の当たり外れ、面談の質
数字の読み方(元エージェント・採用側人事としての解釈) 私が全社を使った体験談(使っていません)

データ①: 国に提出された実績で比べる

有料職業紹介事業者は、職業安定法にもとづいて実績を国に報告し、それが厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で誰でも見られる形になっています。登録も課金も不要です。

  • 出典: 厚生労働省「人材サービス総合サイト」職業紹介事業検索 https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/GICB101010.do
  • 対象年度: 令和07年度(2025年度)実績 / 基準日: 令和8年8月1日現在
  • 当サイトの取得日: 2026年8月6日
  • 根拠: 職業安定法 第32条の16 第3項(情報提供義務)

なぜ求人数ではなく、この数字なのか

比較記事の定番は「求人数」です。当サイトも最初はそれで比べるつもりでした。実際に数えてみて、やめました。

理由は3つです。ひとつ、年収での絞り込みは「帯」を返しません。 dodaで「年収400万円以下」132,674件と「年収600万円以上」211,991件を足すと344,665件になり、総数285,663件を超えます(いずれも2026年8月6日取得)。1件の求人が両方に数えられているからです。「年収400万円台の求人が何件」という数え方は、公開検索では原理的にできません。

ふたつ、**最大手の実数が取れません。**リクルートエージェントの総数は「約78万件」という丸めた表示で、年収での絞り込みは「◯件以上」の打ち切り表示でした。

みっつ、**母集団の定義が社ごとに違います。**求人広告と紹介が混ざっている社、紹介の公開分だけの社、ヘッドハンターが持っている求人の社。並べて多い少ないを語ると、定義の違いを量の差として見せることになります。

公的データはこの3つがありません。法律で報告が義務づけられているので定義が全社共通で、公的機関の公表物なので使うのに許可も要りません。

★1: 紹介で決まった人数(令和07年度)

運営法人(サービス) 就職者数(4ヶ月以上)
株式会社インディードリクルートパートナーズ(リクルートエージェント/リクルートダイレクトスカウト) 87,754人 ★★★★★
パーソルキャリア株式会社(doda) 60,307人 ★★★★★
株式会社マイナビ(マイナビ転職エージェント) 31,662人 ★★★★☆
株式会社ジェイエイシーリクルートメント(JAC Recruitment) 13,694人 ★★★☆☆
株式会社ビズリーチ(ビズリーチ) ー(同定できず)

★の計算式(手で書き換えられない形にしてあります): 50,000人以上=★5 / 20,000人以上=★4 / 5,000人以上=★3 / 1,000人以上=★2 / 1,000人未満=★1。

**この★は規模の指標であって、良し悪しではありません。**多い会社が自分に合うという意味ではないので、★のラベルも「おすすめ度」ではなく「紹介で決まった人数」とそのまま書いています。

★2: 正社員(無期雇用)で決まった割合

比率なので、会社の大きさに左右されません。この記事の中で、いちばん質に近い数字です。

運営法人(サービス) 無期雇用で決まった人数 ÷ 就職者数 割合
パーソルキャリア株式会社(doda) 57,961 / 60,307 96.1% ★★★★★
株式会社インディードリクルートパートナーズ(リクルートエージェント/RDS) 83,999 / 87,754 95.7% ★★★★★
株式会社ジェイエイシーリクルートメント(JAC) 12,938 / 13,694 94.5% ★★★★☆
株式会社マイナビ(マイナビ転職エージェント) 27,464 / 31,662 86.7% ★★★☆☆
株式会社ビズリーチ ー(同定できず)

計算式: 95%以上=★5 / 90%以上=★4 / 80%以上=★3 / 70%以上=★2 / 70%未満=★1。

正社員(無期雇用)で決まった割合(令和07年度・法人単位) パーソルキャリア 96.1% インディードリクルートパートナーズ 95.7% ジェイエイシーリクルートメント 94.5% マイナビ 86.7%
出典: 厚労省「人材サービス総合サイト」/基準日 令和8年8月1日/取得 2026-08-06

マイナビの数字が低く見えると思います。**これは「マイナビ転職エージェントの実績」ではありません。**株式会社マイナビは新卒・アルバイト・医療介護まで紹介事業の幅が広く、この数字はその全部の合計です。有期の紹介を多く扱う法人ほど割合は下がります。次の注記が、この記事でいちばん重要かもしれません。

この数字の限界(先に書きます)

  • **法人単位であって、サービス単位ではありません。**doda の数字は「dodaを運営するパーソルキャリア株式会社全体」の実績で、同社の他の紹介事業も含みます。「dodaの実績」と読むと間違えます。
  • **リクルートエージェントとリクルートダイレクトスカウトは同一法人(株式会社インディードリクルートパートナーズ)が運営しているため、数値が完全に同一です。**この2つを公的データで比べることはできません。片方を「実績で上」と書いている比較記事があったら、その根拠はこの数字ではありえません。
  • 年1回の更新です。日々動く数字ではありません。
  • 「-」は各社が出していない項目です。推定では埋めていません。

入社後6ヶ月以内に辞めた人数(★にしません)

同じサイトには、無期雇用で就職した人のうち、6ヶ月以内に離職した人数という項目があります。求職者にとってはここがいちばん切実な数字だと思うのですが、★にできませんでした。出している会社が1つしかないからです。

運営法人 6ヶ月以内離職者数(無期雇用のうち) 備考
株式会社インディードリクルートパートナーズ 5,018人(ほか離職状況不明 18人) 無期就職者83,999人に対して当サイトで割ると約6.0%
パーソルキャリア株式会社 未提供(「-」)
株式会社マイナビ 未提供(「-」) 令和06年度は3,306と公表されていた
株式会社ジェイエイシーリクルートメント 未提供(「-」) 令和06年度は441と公表されていた
株式会社ビズリーチ ー(同定できず)

※「約6.0%」は公表値ではなく、当サイトが5,018 ÷ 83,999 で割ったものです。

💬 中の人のコメント(構造の説明)

**数字を出している会社が不利に見える、という構造がここにあります。**出せば「6,000人近く辞めている」と書かれ、出さなければ何も書かれない。この項目は報告様式に欄がある一方で、実務上どこまで追跡できるかは事業者によって差があり、未提供の理由は公表されていません。私が言えるのはここまでです。ただ、比較記事を読むときは「悪い数字が出ている会社」より「その欄が空いている会社」を先に見るほうが、たぶん実態に近づきます。これは私の見方であって、各社の公式見解ではありません。

企業側の数字: 手数料・返戻金制度

同じ公的データには、企業から見た条件も載っています。求職者向けの比較記事はまず載せませんが、当サイトはここを外しません。「企業にとって良いエージェント」と「あなたにとって良いエージェント」は同じではない、というのがこのサイトの出発点だからです。

運営法人 企業からの手数料 返戻金制度 職業紹介優良事業者の認定
パーソルキャリア株式会社 有(第2304002(01)号)
株式会社インディードリクルートパートナーズ 有(第2304010(01)号)
株式会社マイナビ 有(第2102006(04)号)
株式会社ジェイエイシーリクルートメント 有(公式サイトに「入社後3ヵ月以内に自己都合退職した場合には紹介手数料の50%を返金する返戻金制度」の記載) 有(第2304009(01)号)

返戻金制度とは、入社した人が早く辞めたときに、企業に手数料の一部が戻る仕組みです。4社とも「有」なので、ここで差はつきません。差がつかないこと自体が情報です。

データ②: 公開求人の件数(参考値)

★にはしません。参考値です。

サービス 総数 年収での絞り込み 取得日
doda 285,663件 600万円以上 211,991件 / 400万円以下 132,674件 2026-08-06
マイナビ転職エージェント 144,721件 400万円以上 137,275件 / 600万円以上 97,084件 2026-08-06
リクルートダイレクトスカウト 表示なし 600万円以上 382,627件 2026-08-06
JAC Recruitment 表示なし 600万円以上 58,098件 / 1,000万円以上 29,987件 2026-08-06
リクルートエージェント 公開検索では確認できませんでした 2026-08-06
ビズリーチ 公開検索では確認できませんでした 2026-08-06

**この件数を社間で比べないでください。**各社で母集団の定義が違います(求人広告と紹介の混在/紹介の公開分のみ/ヘッドハンター求人)。また各社の年収の絞り込みは「その年収を含む求人」を返すため、帯ごとの件数になりません(足すと総数を超えます)。JACは年収の選択肢の下限が500万円で、400万円未満は構造的に観測できません。

2社は、公開検索では件数が確認できませんでした

これは調査の失敗として書くのではなく、事実として書きます。

リクルートエージェントは、総数が「約78万件」と万単位に丸められ、年収での絞り込みは「913件以上」という打ち切り表示でした(同じ日のうちに893→913と変動)。加えて robots.txt が年収クエリを明示的に禁止しています。ビズリーチは、件数が100件単位に丸められている疑いがあり(同日に63,900件と63,903件を観測)、年収の条件がURLに残らないため追試できません。加えて利用規約で「本システムを通じて入手した情報を私的利用の範囲を超えて使用する行為」が禁じられているため、件数の掲載自体を行いません。

**つまりこの2社は、登録しないと中身の量が分からない設計です。**良し悪しではなく、そういう作りだという話です。「求人数No.1」の類の表示を見たときは、その数字がどこの何を数えたものか、自分で同じ検索ができるかを確かめてください。

ビズリーチだけ★がない理由

ここは正直に書きます。当サイトの手順で同定できなかったからです。

公的データは「事業主名」ではなく許可番号で同定する決まりにしています(同名・グループ会社が混ざるため)。手順は、①各サービスの公式サイトで運営法人と有料職業紹介事業の許可番号を確認 → ②その番号で公的サイトを引く、の順です。ビズリーチについては、bizreach.jp のフッター・利用規約ページ、および運営会社サイトの会社概要のいずれにも許可番号の表示を確認できませんでした(2026年8月6日時点)。

推測で法人を紐づければ数字は出せます。やりません。間違えたときに、実在する会社の実績を取り違えて公表することになるからです。見落としの可能性は当然あります。確認できしだい追記します。

なお、リクルートエージェントとリクルートダイレクトスカウトについても、**許可番号そのものの表示は公式ページで確認できませんでした。**運営法人名(株式会社インディードリクルートパートナーズ)が公式に明示されていたため、厚労省の登録簿側で法人名の完全一致により同定しています。手順どおりではない点を、隠さず書いておきます。

今日のデータだけで、言えること

ここから先は「状況別に1社を名指し」したいところですが、**公的データで語れる範囲を超える部分は、この記事では書きません。**書けるようになったら足します。今日の数字だけで言えるのは、次の3つです。

正社員(無期雇用)で決めたいなら、無期雇用の割合が高い法人が運営するサービスから見る。 96.1%(パーソルキャリア)と86.7%(マイナビ)の差は、法人の事業範囲の違いを大きく含みます。ただし、割合が低い法人のサービスを使うときは「まず有期で入って様子を見ませんか」という提案が出てくる可能性を、あらかじめ想定しておくといいとは言えます。言われてから慌てるより、想定しておくほうが強い。

対面で相談したいなら、拠点数を見る。 国内拠点は doda(パーソルキャリア全体のオフィス)20、リクルートエージェント(サービスの拠点一覧)17、JAC 13、マイナビ転職エージェント 6。ただしサービス単位で拠点を公開している社と、法人単位でしか公開していない社があり、粒度が揃っていません。リクルートダイレクトスカウトはヘッドハンター経由のオンライン型で、対面拠点の一覧を公開していないため数えていません。

**年収600万円以上の求人の「量」を見たいなら、件数が公開されている4社で確かめられる。**ただし前述のとおり、社をまたいだ大小比較はできません。同じ社の中で条件を変えて見るのが、この数字の正しい使い方です。

出典と、確認した日

最終確認: 2026年8月

このサイトのお金の話

いずれ、この記事のサービスと提携する可能性があります。そのときも順位は単価で決めません——と書いても、**証明はできません。**代わりに、嘘をついたら外から分かる形にしています。

  • ★は services.json の公的データから計算式で自動的に出しており、記事側で書き換えるとビルドが止まります。私の感想では動きません。
  • 提携の有無は各サービスの隣に常時表示します(現在はすべて「提携なし」)。
  • ★や推奨が変わったときは、変えた理由をサイトの更新履歴に1行残します。
  • 掲載するサービスの選定は、提携の有無に影響されます。だから「載っていない良いサービス」がありうる、ということも書いておきます。

この記事で書かなかったこと

担当者の当たり外れ、面談の質、連絡の速さ。**私自身のデータがないので書きません。**エージェントがなぜそういう動き方をするのかという仕組みの話は、転職エージェントの仕組みと使い方 に、断られたときに何が起きているのかは エージェントに断られたとき に書きました。工程全体の地図は 転職活動の始め方 にあります。

各社の最新の数字と軸別の比較表は 転職エージェント比較 に置いています。この記事は2026年8月に確認した時点の記録です。