転職理由の雛形(本音を変えずに言う)
転職理由を聞かれると、多くの人が「ネガティブに聞こえないように言い換えよう」とします。そこがずれています。面接官が見ているのは前向きかどうかではなく、その不満が、うちに来たら解消されるのかどうかです。残業が理由なら、うちの繁忙期はどうなのか。評価に納得できないなら、うちの評価制度なら納得するのか。ここがつながっていないと、「この人はうちでも同じ理由で辞めるだろう」と読まれます。
だから前向きな言い換えは要りません。事実を言って、そのあとに「だから次はここを見ている」を足す。この形にするだけで通ります。耳ざわりのいい言い換えを並べた人より、生々しい理由をそのまま置いていった人のほうが記憶に残り、合否の会議でも擁護されていました。
【転職理由】 1. 事実:【何が、どれくらいの期間、どういう状態だったか】 2. 自分がやったこと:【現職の中で試したこと。なければ書かない】 3. だから次に見ていること:【どうなっていれば続けられるのか】 ※ 前向きな言い換えは作らない。1と3がつながっているかだけを確認する。
嘘は作りません。事実そのものは変えず、何を前に出すかだけを変えます。書類に書いた経歴と食い違う話をすると、志望動機と突き合わせて読まれた時点で、どちらかが嘘か自己分析をしていないかのどちらかだと判断されます。
本音と、面接で言う形
自分に近いものを1つ選んで、【 】を埋めてください。複数当てはまるときは、いちばん大きいものを1つだけ話します。
- 本音
残業が多すぎて続けられない
面接で言う形月◯時間の残業が◯年続いていて、【できなくなったこと】が理由です。繁忙期があること自体は前提として、【日常の業務量が読める体制か】を次は見ています。
採用側はこれを聞いて何を判断しているかその不満がうちに来たら解消されるのか。繁忙期はうちにもあるので、「残業が嫌」で止まっていると、同じ理由でまた辞めると読まれます。何がどうなれば続けられるのかまで言えているかが分かれ目です。
- 本音
評価に納得できない
面接で言う形評価の基準が【どうなっていたか】で、【自分がやった仕事】が評価の対象に入りませんでした。次は【何が評価されるかが先に示される環境】を見ています。
採用側はこれを聞いて何を判断しているかうちの評価制度なら納得するのか。制度への不満は、こちらの制度と照らして確認されます。だから「納得できなかった」だけで終わらせず、どういう基準なら納得するのかまで置いておくと、面接官はその場で答え合わせができます。
- 本音
給与が上がらない
面接で言う形現職では【等級・制度の事情】で、【年数】上がっていません。金額そのものより、【何をすれば上がるのかが決まっている】ことを次は確認したいと思っています。
採用側はこれを聞いて何を判断しているか提示できるレンジと期待がずれていないか。ここは隠すほど後で揉めます。採用側は最初から擦り合わせたいので、金額の話を避けられるより出してもらったほうが助かります。
- 本音
上司や特定の人と合わない
面接で言う形【どんな進め方だったか】が合わず、【自分がどう対処したか】もしましたが変わりませんでした。次は【どういう進め方の職場か】を確認しています。
採用側はこれを聞いて何を判断しているか同じことがうちでも起きないか。個人を責める言い方になっていないかも同時に見られます。合わなかった事実は言っていい。ただ、自分が何をしたかが1つ入っているかどうかで、受け取られ方がかなり変わります。
- 本音
会社の将来が不安
面接で言う形【事業の縮小・撤退など、起きた事実】があり、【自分の仕事がどうなったか】。そのため【どういう事業基盤か】を次は見ています。
採用側はこれを聞いて何を判断しているか事実なのか、雰囲気なのか。起きた事実で語られていれば懸念になりません。逆に「なんとなく不安」だけだと、うちでも同じ理由で動くのではと読まれます。
- 本音
やりたい仕事ができない
面接で言う形【担当したかった業務】が【なぜできなかったか】。現職で【自分がやってみたこと】まではやりましたが、【どこで止まったか】。次は【その業務が実際にある環境】を探しています。
採用側はこれを聞いて何を判断しているか現職でやれることをやったかどうか。何もせずに環境のせいにしていると読まれると、うちでも同じになります。社内で動いた形跡が1つあるだけで、この質問は通ります。
「次はここを見ている」が埋まらないとき
3行目が書けないのは、文章の問題ではないことが多いです。辞めたい理由ははっきりしているのに、次にどうなっていれば続けられるのかが、自分の中でまだ決まっていない状態です。
ここは求人票を何件読んでも埋まりません。他社の評価制度や繁忙の実態は求人票に書いていないからです。数社の話を並べて初めて「自分はここが譲れなかったのか」と分かることのほうが多いので、面接を受ける前に一度、外の人と条件を言語化しておくほうが早いです。
この雛形の根拠
「不満の中身ではなく、うちで解消されるかを見ている」は 面接で必ず聞かれる6つの質問 に書いた、面接官として評価をつけていたときの見方です。面接官が何を見ているかの全体像は 面接官の視点 へ。
転職理由を話すのは面接だけではありません。エージェントとの面談でも最初に聞かれます(面談で話すこと)。面接当日に見られている項目は 面接官チェック項目 にまとめています。