面接に落ち続けている人がまずやることは、たいてい決まっています。想定問答を増やす。逆質問のストックを増やす。マナーの動画を見る。要するに対策を積み上げていくわけですが、面接官の側に長くいた実感から言うと、これはだいたい逆効果なんです。

足し算では抜けられません。

連敗中の人に必要なのは足し算ではなく確認事項への引き算で、落とす側が何を確認しているかに立ち返るとやることはむしろ減ります。

まず、連敗の「段階」を切り分ける

落ち続けていると全部がダメに感じます。でも実際はどの段階で落ちているかで原因は別物で、ここを混ぜたまま対策すると効かない努力に時間が溶けます。

どこで落ちているかで、原因は違う

1 書類で落ちる 面接力の問題ではない。求人との噛み合わせの問題 2 一次で落ちる 基礎のすり合わせ。現場が「一緒に働けるか」を見る段階 3 二次・最終で落ちる 志望の本気度と条件の整合。立場が違う人が違う軸で見る

書類で落ちているなら面接対策をいくら積んでも意味がないので、書類選考で落ちる理由の記事から先に読んでください。段階ごとに面接官の座る人と見る軸が変わる話は一次・二次・最終の違いの記事に書いています。

自分の連敗はどの段階に集中しているのか。まず数える。そこからです。

面接官が確認しているのは、結局3つ

一次〜二次で落ち続けている人へ。ここから本題。

面接官は質問を何十個も投げてきますが、確認したいことは3つしかありません。できるか(能力)。やりたいか(動機)。合うか(相性)。どの質問もこの3つのどれかの証拠集めで、詳しくは面接官は何を確認しているかの記事に書きました。

で、連敗中の人の面接を想像すると典型パターンが見えます。

暗記した答えを、質問に当てはめようとしている。

想定問答を増やした人ほどこうなります。用意した答えと質問が微妙にズレて噛み合わず、面接官の側からは「会話ができない人」に見えてしまう。本人は対策を頑張った結果なのに。歯がゆいんですよ、これは本当に。3つの確認事項さえ頭にあれば、初見の質問でも「これは能力の確認だな」と分類して手持ちの材料で答えられます。覚えるのは答え100個じゃなくて材料3セット。準備の設計から変えてください。

連敗が作る悪循環のほうが、実は怖い

もうひとつ、面接官として見えていたことを。

連敗中の人は面接の入りで分かります。

声が守りに入っているんです。落ちたくないが前面に出て、断定を避けて小さくまとまる。中身は悪くないのに自信のなさだけが伝わってきて、不安と焦りは隠しても隠しきれず、そして皮肉なことにその萎縮が次の不合格を作ってしまう。連敗の本当の敵は面接力よりこの悪循環だったりします。対処は精神論ではなく物理です。

連敗中の立て直し方

悪循環を進める動き 落ちるたびに想定問答を追加する 間を空けず数で取り返そうとする 不合格を人格の評価として受け取 循環を断つ動き 落ちた段階を記録して原因を切り分ける 1〜2週間空けて応募の質を上げる 不合格は相性の判定だったと処理する

右下の「相性の判定」は慰めではありません。面接の合否にはあなたから見えない社内事情がかなり混ざっています。他の候補者との相対比較。配属先の人員構成。途中でのポジション凍結。落とす側にいたから言えますが、不合格の何割かはあなたの出来と無関係に決まっています。 全部を自分の欠陥として引き受ける必要は最初からないんです。

対策を足す代わりに、面接官の側が何を確認しているかを一度見てみてください。項目にしたものが面接官チェック項目です。落ちた面接を振り返る道具として使えます。

それでも原因が見えないとき

段階を切り分けて、3つの確認事項に戻して、それでも落ち続けるなら。

材料そのものが浅い可能性があります。経験を語る言葉がどの会社にも刺さらない一般論になっていないか。ここは面接練習では直らなくて、自己分析のやり直しが一番の近道です。連敗は実力不足の証明ではなく情報です。どの段階で、どの確認事項で削られているのか。数えて、戻って、絞る。対策を増やし続けるよりそのほうがずっと早く抜けられますし、私が面接の向こう側で見てきた「抜けた人たち」の共通点でもあります。