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職務要約の雛形(冒頭5行)

職務経歴書でいちばん時間をかける場所は、冒頭の職務要約です。書類選考は1通に何分もかけません。応募の多い求人だと、最初のスクリーニングは1通あたり数十秒です。その数十秒で読む側が最初に見るのがここで、ここで「何ができる人か」が分からない書類は、その先を読む優先度が下がります。

下の5行をコピーして、【 】を自分の言葉に置き換えてください。全体を書き終えたあとに、最後にもう一度書き直すのがおすすめです。

【職務要約】
【職種・領域】として【年数】。現在は【業界・会社規模】で【担当領域】を担当しています。
直近【2〜3年】は【誰に・何を・どう進めているか】を担当しています。
【困っていたこと】に対して【自分がやったこと】をして、【どう変わったか】。
【転職回数・ブランクがある場合のみ:事実だけを1〜2行】
【求人票にある要件の言葉】については、【自分のどの経験が対応するか】。
コピーした内容はどこにも送信されません。

1行ずつ、採用側はここで何を見ているか

埋め方だけ知っても、応募先が変わると手が止まります。理由のほうを持って帰ってください。

  1. 1行目

    【職種・領域】として【年数】。現在は【業界・会社規模】で【担当領域】を担当しています。

    採用側はここで何を見ているか

    一言で何ができる人か。ここで職種の像が結ばないと、その先を読む優先度が下がります。読む側は1通あたり数十秒で回しているので、後ろのほうに書いてあっても届きません。

  2. 2行目

    直近【2〜3年】は【誰に・何を・どう進めているか】を担当しています。

    採用側はここで何を見ているか

    今の実務レベルと守備範囲。10年前の実績より、直近2〜3年に何をしていたかを見ます。採用側が買うのは「今のこの人」なので、昔の話が長いほど不安になります。

  3. 3行目

    【困っていたこと】に対して【自分がやったこと】をして、【どう変わったか】。

    採用側はここで何を見ているか

    行動の具体性です。実績の大きさではありません。「売上2倍」は市況かチームの成果か判断できませんが、「毎週手作業だった集計の手順を見直して半分の時間にした」には課題を見つける目と自分で手を動かした事実が入っています。うちでも同じ動きをしそうか、が読まれています。

  4. 4行目

    (該当する人だけ)【転職回数・ブランク・離職中の期間】については、【事実だけを1〜2行】。

    採用側はここで何を見ているか

    落とす側の心理は「減点したい」ではなく「懸念を残したまま面接に呼ぶ稟議を書きたくない」です。事実ベースの説明が1〜2行あるだけで、懸念は確認済みの論点に変わります。書かなければ隠したことにはなりませんが、確認の手間だけが残ります。

  5. 5行目

    【求人票にある要件の言葉】については、【自分のどの経験が対応するか】。

    採用側はここで何を見ているか

    求人票の要件と噛み合うか。落選理由でいちばん多いのは書類の出来ではなく要件との不一致です。要件は社内では must と want に分かれていますが、求人票では並列に書かれます。応募先ごとに全部書き直すのがしんどければ、書き換えるのはこの5行だけでかまいません。いちばん読まれるので、費用対効果が最大です。

弱い書き出しと、直したもの

どれも実際によくある形です。悪文だから落ちるのではなく、読む側が探している情報が入っていないから読み飛ばされます。

  1. 弱い例

    大学卒業後、株式会社◯◯に入社し、営業として幅広い業務に従事してまいりました。責任感を持って業務に取り組み、コミュニケーション能力を活かしてお客様との信頼関係を築いてまいりました。

    なぜ弱いか

    何の人かが分からないまま終わっています。時系列から始まっているので、読む側が印をつける場所を見つけられません。責任感・コミュニケーション能力は性格の話なので、評価シートの欄に乗りません。

    直した例

    法人営業を8年。現在は中小の製造業向けに新規と既存を半々で担当しています。直近3年は既存顧客の解約が続いていたため、訪問前に稼働データを見る手順を自分で作り、担当エリアでは解約の兆しを事前に拾えるようになりました。

  2. 弱い例

    前職では売上を前年比200%に伸ばし、社内表彰を受けました。数字にこだわり、常に目標を達成してまいりました。

    なぜ弱いか

    数字だけが置いてあり、その数字を自分が何をして作ったのかが書かれていません。読む側は数字単体では判断できないことを知っているので、二段掘って何も出てこない書類がいちばん困ります。書類がいちばん華やかで、面接で崩れる型です。

    直した例

    担当エリアの売上を前年比200%にしました。伸びた理由は新規の件数ではなく、失注が集中していた見積り提出後の3日間に電話を1本入れる運用に変えたことです。同じやり方はチームにも展開しました。

  3. 弱い例

    これまでの経験を活かし、貴社で幅広く貢献したいと考えております。新しい環境でも早期に成果を出す所存です。

    なぜ弱いか

    職務要約に意欲を書いています。冒頭5行は「何ができる人か」を伝える場所で、意欲を伝える場所ではありません。この5行が意欲で埋まっていると、読む側は実務の情報がゼロのまま本文に入ることになります。

    直した例

    (意欲はここに書かず、実務の情報に差し替える。応募先への当てはめは5行目の「要件の言葉に自分のどの経験が対応するか」で書く)

5行目だけは、自分では埋めきれないことがある

5行目は応募先の要件に合わせる行です。ところが求人票に並んでいる要件は、社内では must と want に分かれていて、どちらが重いかは求人票に出てきません。ここが分からないと、合わせたつもりで外れます。

エージェント経由で応募する場合、あなたの書類には担当者の推薦文が付きます。書類の出来と推薦文の熱量の合わせ技で選考が進むので、添削を頼むより先に、面談で「この経験はこういう場面で活きると思う」と自分から渡しておくほうが効きます。

この雛形の根拠

各行の「見ているところ」は 職務経歴書で最初に読まれるのは、冒頭5行の職務要約です 書類選考で落ち続けるときに、まず切り分けること に書いた内容から作りました。なぜそう見られるのかは記事のほうが詳しいです。

書き上げたら 職務経歴書チェックリスト で送る前の確認へ。履歴書と職務経歴書で書く内容が混ざっているなら 2枚の役割の違い を先に読んでください。